Debian の最新 Linux kernel で DV 関係が全滅の件

本日 Install Festa: USBカメラ動作検証ご協力のお願い というアナウンスが JLA のほうから出ています。 皆様のご協力よろしくお願いします。 検証というのは要するに dcastkit の環境で使えるかどうかということなのですが、 自分で検証していただける方のために具体的な手順などをそのうちまとめたいと思います。
昨晩は DV ストリームから Icecast2 を使った ogg/theora 配信の動作検証を行い、 その手順などを HowtoCast のページにまとめました。 今晩の FSIJ monthly meeting ではこれを使ってライブ配信をするつもりですので、 興味のある方は VLC media player をインストールしてお待ちください。
さて dcastkit では基本的に Debian の Linux kernel パッケージを使っております。 それで昨日までは linux-image-2.6.22-1-686 をそのまま使っていたわけなのですが、 昨晩ようやく動画配信システムのチェックをやり始めたところ、 これがちょっとひどいことになっていることがわかりました。
Linux kernel は 2.6.22 になってから
IEEE1394 関連で新しいプロトコルスタックのコードが導入されるようになったのですが、
Debian kernel team はその新しいスタックを有効 (CONFIG_FIREWIRE=m
) にして、
かつてのスタックを切り捨てる (CONFIG_IEEE1394=n
) ということをしてくれていました。
この新しいスタックへの遷移にあたっては、 たいていの IEEE1394 アプリケーションが使っている libraw1394 や libdv1394 を更新する必要があるのですが、 そちらは upstream でも git リポジトリにあるだけでまだ正式リリースされていないという状態。 おかげで 2.6.22-1 にすると kino や dvgrab といったアプリケーションが軒並み動かなくなります。
Bug#432614 や Bug#434551 などでも報告&文句が出ていますが、「こんな乱暴なことをするディストリビューションは使わないことをおすすめする」なんて言われちゃってますね。 しかしそれでも Debian kernel team は元に戻すつもりはないようです。どっちのスタックも m にして片方だけ insmod して使うのでもいいように思うのですが。ともあれこの困った事態が収束するにはかなり時間がかかりそうな雰囲気です。
さて、動画配信 distro を標榜する dcastkit にとって
IEEE1394 デバイスが使えなくなるというのはまさに死活問題で、早急に対処しなくてはなりません。
最初は git の libraw1394 を新しくすることを考えたのですが、ぜんぜんうまく動いてくれないので、
仕方なく CONFIG_IEEE1394=m
を復活させたカスタムカーネルパッケージを独自に提供することにしました。というわけで作ったのが linux-image-2.6.22-1-dcastkit です。関連カーネルモジュールパッケージもすべて作り直してあります。
昨晩はこういった作業を明け方まで続けてしまい、寝る時間がありませんでした。 まあこれに限らず、今後もカーネルやドライバに手を入れる必要が出てくるでしょうから、 いずれやるつもりでいたことなのですが。
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