CPU 実験 2.0

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スラッシュドットにこういうコメントを投稿したこともあるが、母校の情報科学科の CPU 実験が今はどうなっているか知りたくなり、ちょっとぐぐってみた。

(余談だが情報科学化学部生とかいう typo が気になる…あと s/基盤/基板/g したい)

XC2V1000 が実装された基板がいきなりもらえるとはうらやましい (私もこんなに大きくて高価なデバイスを扱ったことはない)。 10 年前は 5000 ゲート規模の XC4005 を使って、 84 ピン PLCC ソケットをユニバーサル基板にはんだづけするところから スタートしていた気がする。 私は工学部に進んだので、 サークルの先輩同期後輩が四苦八苦するさまを眺めていただけだったが、 毎年あまりに楽しそうでうらやましかったのは覚えている。

プロセッサの評価にレイトレーシングベンチマークが行われているのも昔と変わらないようだ。 しかしそろそろ、プロセッサの改良はほどほどにして ビデオ出力やネットワークや二次記憶装置といった I/O インタフェースに凝って ハードウェアシステム総体としての完成度を極めるとか (プレゼンも当然 FPGA 基板で行う)、 適当なカーネルを動かして ELF ABI 決めて(以下略) 無駄に Binary 2.0 的に完成度の高いアーキテクチャの実現を目指すチームが 出現してもいいんでないかなあと、バイナリアン的には思った。

私が今これをやるんだったら、CPU に ABI は自分で考えるにしても、 他は開発期間を短縮するために GNU Toolchain や Linux カーネルに glibc といった 有りものリソースを最大限活用するスタイルになると思う。 これじゃコンパイラとかの勉強にはならないから単位は貰えないかな。

時期的にはそろそろ佳境かと思われるが、この CPU 実験に参加している学生は 世界でも屈指の水準の情報科学教育を受ける機会に恵まれていることは間違いないわけで、 皆様にはぜひプロジェクトを完遂してものにしていただきたいと思った。

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コメント(3)

sumii :

お久しぶりです。(_ _) 今年からコンパイラのほうはガベコレ・多相型・オブジェクトなど進化しています。あと、GCCあたりを移植すれば、コンパイラの単位は何とかもらえると思われます。移植だけだと既存技術の枝葉末節の勉強になりやすいので、どう評価されるか微妙かもしれませんが。とかハードウェアにあまり関係のないコメントをしてみる。

yaegashi :

きっとコメントしてくれると信じておりました :-)。ありがとうございます。

このエントリは学術的なことはあまり頓着しない工学系ハカー視点のたわごとですんで、関係者の皆様は(みてたら)あまり気にしないでほしいです。

コンピュータサイエンスの学科なんだから、GCCの移植だけじゃ済まないのはしごくまっとうな評価尺度ですね。ぜひ価値ある新しいコンピュータアーキテクチャと言語処理系を産み出していってほしいと思います。

sumii :

別に移植が悪いといってるわけではないです。念のために…(^^; gccだけだと簡単すぎるかもしれませんが(少なくとも僕が2.7.2.2でやったときは)、glibcとかまでやるのは大変そうですし。

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このページは、yaegashiが2005年12月 6日 23:02に書いたブログ記事です。

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